THEATRE E9 KYOTOと京都舞台芸術協会が協働して企画運営を行ったショーケース企画”Continue”は、昨年2020年5月に予定していた公演を新型コロナウイルスの影響で延期しました。その後、アーティスト4組と劇場と協会は継続的な対話の場を持ち、アーティストのアイディアをもとに初夏から秋にかけて4つの「関連企画」を実施しました。いずれもささやかな規模ではありましたが、感染症が広がる社会に対して、劇場を拠点にたしかな応答を試みるアクションだったと言えます。
Continue関連企画 case.1|西尾佳織(鳥公園)
“暗闇があるから一人になれる”
日程|2020年6月17日(水)
Continue関連企画 case.2|和田ながら
“本当に大事なことはあなたの目の前ではおこらない”
日程|2020年7月12日(日) ~7月14日(火)
Continue関連企画 case.3|正直者の会
“イタツキ体験ワークショップ+撮影会”
日程|2020年9月17日(木)
Continue関連企画 case.4|笠井友仁+高安美帆
“YUDATE-19”
日程|2020年11月7日(土)
>>関連企画のアーカイブ記事: https://note.com/showcasecontinue
その後、日程の再調整を行い、企画時と同じアーティストラインナップでの公演が2021年4月24日(土)~27日(火)に叶いました。感染症対策のため客席を通常よりも間引いての実施ではありましたが、多くのお客様にご来場いただき、あたたかい拍手をいただきました。世代、バックグラウンド、拠点の異なる4組のアーティストによる多彩な表現をお楽しみいただけたのではないかと思います。
公演に先立って4月12日(月)に開催したプレトークイベント「はじめる・つづける・つなげる」はオンラインライブ配信で実施し、これまでの関連企画の取り組みや各作品の紹介を行いました。配信の様子は現在、アーカイブでもご覧いただけます。未曾有のコロナ禍において劇場とアーティストがどのように協働したかを示す貴重な記録でもあります。
プレトークイベント「はじめる・つづける・つなげる」アーカイブ
https://youtu.be/2XO0m_cgcYU
Aプログラム・Bプログラムの各初日終演後に劇場にて予定していたアフタートークは感染リスクを減らすために中止となりましたが、オンラインでのアフタートークを5月15日(土)に行いました。記録写真を交えつつプログラムのくくりを越えて演出家や出演俳優同士が互いの作品についてコメントを寄せあうことができたのもオンライン開催ならではのメリットだったかもしれません。こちらもプレトークと同様に配信アーカイブをご覧いただけます。
”Continue”アフタートーク
https://youtu.be/XVmj-_PjJ94
また、今回の公演では、長時間が常態化している劇場での労働環境を見直すための試験的な取り組みとして、劇場での作業時間を8時間に制限した公演運営を行いました。ここで得られた知見については、協会の事業として今後広くシェアしていく予定です。
企画立案当初では予想だにしなかった社会状況の変化により、ショーケース企画のコンセプトである「つづける」ことの困難に直面した一年間でしたが、同時に、「つづける」ことに必要不可欠な連帯のありかたについてさまざまな対話と試行を重ねることもできました。この成果をさらなる将来につなげていくことをこれからも考えていきたいと思います。
文責:和田ながら