2024年12月、インターン生は京都市東山区にある「東山 アーティスツ・プレイスメント・サービス(略称:HAPS)」のオフィスを訪問しました。市内3か所に拠点を構え、地域とアートをつなぎコミュニティの一部となりながら、芸術家が京都市内で居住・活動する環境づくりのための多様な活動を行うHAPSは、文化芸術を通して、多様な人々がともに生きることのできる社会の創出を目指す事業も行っています。個人の生き方や社会のあり方を組みかえ、そこに生きる人々の可能性を開いていく文化芸術の発展を、住居さがしから仕事コーディネートまで多岐にわたる芸術家支援、あるいは芸術を通して社会課題に向き合うソーシャル・プラクティスによって支援しています。今回は、HAPSでの取り組みの理念やその背景、また地域と密にかかわって芸術支援を行う姿勢についても伺いました。

今回お話を伺い、まずはその支援活動の多様さに驚きを感じました。確かに、地に足をつけて制作活動を行っていくには住居の問題は重大だと思いますし、仕事のマッチングや、アート市場の活性化など、作品づくり以外のことがらも芸術を続けるためには確かに必要な一面だと感じます。またこの多様な事業が、アーティストひとりひとりからの相談から生まれているというのもものすごいことだと思います。それは相談を受けてそれぞれの困難と向き合い、現実の問題として対処していく中でこの支援が生まれているということであって、相談する側としては心強いことこの上ないだろうと感じます。
また、「共生社会」のテーマについて、「共生社会」とは言葉で言ってしまえば簡単ですが、現在の社会からは遥か遠くに、そしてなんだかぼんやりと曖昧な像を結んでいるもののように思ってしまいます。しかし今回伺ったHAPSの活動はそのぼんやりとした像に対して、地域に根差した表現活動や多様な人々との協働を通して一歩ずつ進んでいくようなものだと感じ、その地道さとひたむきさに胸を打たれる思いでした。
(夏海瑶)
■東山 アーティスツ・プレイスメント・サービス(略称:HAPS)
HP https://haps-kyoto.com/
facebook https://www.facebook.com/hapskyoto/?locale=ja_JP
所在地
〒605-0841 京都市東山区大和大路通五条上る山崎町339(HAPSオフィス)