2022年11月24日(木)京都芸術センターを訪問したインターン生のレポートです。
インターン生の紹介ページはこちら→ https://kyoto-pa.org/2022intern/
京都芸術センタープログラムディレクターの谷竜一さんから京都芸術センターの施設や歴史、訪問当時展示されている作品についてお伺いしました。フリースペース、講堂、和室、カフェ、情報コーナー&談話室、図書室、ギャラリー(南&北)、制作室、伝統芸能アーカイブ&リサーチオフィス、和室明倫を案内していただきました。その案内の過程で施設ごとの特徴や歴史について、ギャラリーでの展示作品の内容・背景についてお話いただきました。
最後に谷さんに質問させていただく機会があり、インターン生がそれぞれ疑問に思っていることや活動に活かしたいことなどについてお話をお伺いしました。
京都芸術センターは京都舞台芸術協会を立ち上げた方々が行政と掛け合って、実現した芸術関連の施設と聞きました。その当時の人たちが芸術を続けていくために自ら考え行動したという結果が今の京都の芸術支援の深さに繋がる部分があることを考えた時に、私や今の時代を生きている芸術に携わる者の皆が強く自主性を持ち、行動しなければいけない時代がきているのかもしれないと思いました。
ここ数年で京都では数々の小劇場が廃館しました。さらにコロナという追いうちがかかり、人々の舞台芸術への関心は失われつつあります。そういった背景が芸術の創作環境改善の、ある意味、一助になってゆくのではないかとも思っています。
結果、自分としては、京都芸術センター立ち上げの話を聞いて、舞台芸術全体の問題が自分から遠いところにあるという認識は捨て、そういった問題が自身の手の届く範囲で起こっているという認識を持つようにしようと思いました。そうすることで自分ごととして舞台芸術の問題を捉えることができると思ったからです。この先、自分が芸術家として活動していくうえで作品を創ることと創作の環境づくりは切っても切り離せないものとなっていくように感じております。もちろん、創作の環境というのは政治という大きな側面だけでなく、自分の暮らしという小さな側面まであるのだということを忘れないようにはしたいです。
岩越信之介
京都芸術センターへの訪問を通して、文化芸術活動を営む「公共」の場をみんなで作る意識が必要だと考えました。現在の京都芸術センターがある旧明倫小学校は、地域の方々によって建てられたとお伺いしました。小学校の校舎は、閉校後も地域の人にとって思い入れのある大切な場所だと思います。そのような場を活用している京都芸術センターは、市民が参加できるワークショップを開催するなど、市民と芸術家が交流できる文化芸術の創作・発表の場所として、地域社会とのつながりを大切にされています。
文化芸術は社会の中に存在しており、作品の創作環境・発表環境を整える上でも地域の人々とのつながりを切り離すことはできません。しかし、作品創作をしていく中で、どうしても観客との関係性にのみ意識が向いてしまうこともあるのではないかと思います。京都芸術センター訪問中にお聞きした「今後、演劇を続けていくにあたり、一つひとつの公演が社会とどう接点を持っているのか、演劇が社会の中でどのような役割を持っているのか考え続けなければいけない。」という谷さんの言葉が非常に印象に残っています。文化芸術が社会に果たす役割を考え続け、文化芸術がより市民に愛される土台づくりをしていきたいです。
永澤萌絵
■京都芸術センター https://www.kac.or.jp/