30周年企画「会報アーカイブで振り返る、京都舞台芸術の30年」開催レポート

  • 2025.10.01
  • 2025.10.03

8月23日、1996年の協会立ち上げから30年目を迎える節目の年であることを記念したトークイベントが、THATRE E9 KYOTO で開催されました。ご登壇は、事務局長を務めた演劇プロデューサーの杉山準氏、2010年度から2013年度まで理事長を務めたごまのはえ氏、そして現・理事長の和田ながらでした。司会進行は、柴田惇朗氏と現・副理事長の神田真直が務めました。

 まず、協会発足前史から黎明期、そしてNPO法人化にいたるまでの期間について、杉山準氏から中心にお話いただきました。なかでも、「誰もが等しく情報を得られるような体制にしたい」という当時の若手たちの思いが根底にあったということは、これからもつねに立ち返り続けなければならないことだと思いました。
 次に、ごまのはえ氏が協会にて活動していた期間についてお話いただきました。印象に残ったのは、前世代の先輩方から丁寧にご挨拶いただいたというエピソードでした。設立時のメンバーであっても、長い期間理事に居座ることなく、速やかに次の世代にバトンを渡していくという姿勢は、今後も引き継いでいけるよう気を引き締めてまいりたいと思います。

 最後に現・理事長の和田ながらより、2018年頃からコロナ禍を経て直近にいたるまでの協会の動向について語っていただきました。意識されてか、されずか「町内会のようなもので、順番がめぐってくるもの」という言葉がそのまま受け継がれていたという点に、個人的にひっそりと感銘を受けました。さらに、コロナ禍で情報が錯そうするなか、有益な情報が整理されて伝わるように努めていたという点は、発足時の思いが30年にわたり持続してきた一つの成果だと評価できるでしょう。

本企画では、会報という客観的な記録と当事者による主観的な語りが交錯することで、京都舞台芸術協会の30年の歩みを刻銘に振り返ることができました。これを糧とし、現 協会理事として今後いっそう京都舞台芸術界の発展に寄与していきたいと思います。

(文責・神田真直)

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