NPO法人 京都舞台芸術協会 – Kyoto Performing Arts Organization

京都を中心に地域の舞台芸術家同志の交流や人材育成事業、創作環境の整備を主な目的として活動を行う団体です。

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「舞台芸術家のための法律セミナー」実施報告

      2018/12/03

文責:田中遊
「舞台芸術家のための法律セミナー」2018/12/02/14:30~ @中京青年の家中会議室

「労働者を守る法律はたくさんあるのだが…」

会の終盤、ゲストとしてお招きした中村和雄弁護士がそうおっしゃったのがとても印象的だった。「俳優が演技をすることは労働なのか?」もちろんある側面でそれは間違いなく労働だろうが、実際のところ「稽古場での稽古の時間を含めたら最低賃金どころの騒ぎじゃない(参加者のコメント)」のが実情。「スタッフだって家でプランを考えている時間を考えたら(参加者)」「劇作家なんて地獄ですよ(村上理事)」…。会社との雇用関係ではなく一個一個個別の契約を結び俳優は出演をし、劇作家は台本を描き、ダンサーは踊る。結局のところ「出来うる限りきちんとした契約書を作って交わしておいた方がいいんだよな」といういたって常識的なことがこの会を通しての私の結論でした。なるべく近いうちに「舞台芸術に関する契約書のテンプレート」を京都舞台芸術協会で用意できればいいなぁと、そう思っています。また今回のイベントとは少し離れますが、団体の規約約款というようなもの(これは助成金の申請などで是非とも必要になるものです)のテンプレート、また舞台上で本火を使うときの消防署への申請の仕方だとか、そういう細々したhow toやテンプレートが舞台芸術協会でアーカイブされていき使ってもらえたらいいのになぁ、とあくまで個人的にですが思っております。(法律はすぐに変わりますからそれに対してアップデートしていくことなど、実際難しいことはあるのですが…)

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内容をすっとばしていきなり概観からはいってしまいました。すいません。理事長の田中遊です。「舞台芸術家のための法律セミナー」。本日(12/02)司会を務めさせていただました。参加者の皆様ありがとうございました。とても有意義で素直に面白い会になったことを嬉しく思います。もっともっと参加者が多ければよかったのですが…。いや本当におもしろかったので、また次年度以降継続されるのであればもっともっと宣伝してゆきたい。自信を持って宣伝できる有意義な会だと自負しております。



イベントの性質上参加者の中に「顔出しNG」という方も数名いらっしゃいました。顔見せOKの方のみ入っていただいた集合写真です。上段左は参加者。右が高間理事(カメラマン兼受付)。下段左より村上理事(書記兼相談員)、ゲストの酒井信古さん(相談員)、ゲスト中村和雄弁護士、田中遊(司会)

 

弁護士の中村和雄氏をゲストにお迎えして、参加者および広く一般から(ツイッターで)募った「舞台にまつわる法律がらみの疑問」を個人・団体が特定されないように、また[yes/no]で答えられるようにデフォルメしたものに中村先生からお答えいただくという形で進行しました。「稽古中に怪我をしたら治療費を請求できる?」「俳優が降板して公演が流れたらホールのキャンセル料をその俳優に請求できる?」.etc…。

中村和雄氏
《プロフィール》
弁護士(京都弁護士会)労働事件を中心として京都で33年間弁護士活動を続けています。現在、日弁連労働法制委員会・日弁連貧困問題対策本部に所属

 

まず司会から質問を紹介し、その後ゲスト相談員の酒井信古さん、書記の村上理事が[yes/no]の判断とその理由を発表します。その後に参加者全員それぞれにも[yes/no]の札をあげていただきました。最後に中村先生にご意見をいただき、みんなで「あー」と納得したり「えー!」と驚いたり。まずは以下、その記録テキストをお読みください。

なお会場での村上理事、ゲストの酒井信古さんのご発言は進行台本に沿ったものです。個人の思想信条の反映でないことをご理解ください。進行台本は田中遊が製作しました。

また中村先生のご発言も一弁護士としてのご意見であり、それをもって「100%の法律的な正解答」でないこともご理解ください。

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<ケース1>
俳優A/俳優Bさんは日頃から私を邪険に扱う行動を取っていると感じます。
私とBさんは、ある公演で、暴力シーンを演じることになりました。
シーン練習中、Bさんは演技の域を越えた力で私を殴り、私は怪我をしました。病院に行くと全治2週間程度と診断されました。
Bさんを傷害罪で訴えられますか?

【相談員の見解】
・酒井相談員 NO
訴えれるとなると、どこからが、訴えられるか、範疇が曖昧になるから、ノー。
訴えるなら、主催者。

・村上相談員 YES
時代が時代なので、訴えられてしかるべき。一昔前は、(松田優作さんの時代なんかは)

【お客さんの見解】
YES=4。
NO=1。

・(NO側の意見)傷害罪ってなるのは、客観的な証拠に乏しいのではないか? 人情として治療代があっても良いが、傷害罪となるのは、違う。

・(YES側の意見)アクションを普段やっているが、実際殴らないアクションをやるのが演劇。本当になぐるのは違う。スポーツもそうだし、ルールがあるものだから、よくない。

【中村弁護士の見解】
NO

(お答え)
役者さんがどこまで純粋な演技をしようとしてたが、重要。
傷害罪が成立するとなると、故意かどうか?
打撃が大きいとかだと障害。
しかし、演出の要求なら、違法性がない。
言われてる範囲を超えてめちゃくちゃ超えたら、傷害罪になる可能性がある。
過失傷害罪というのはある。範囲を超えていたら、十分、過失傷害罪になるのであれば、罰金30万。
純粋に演技として頑張っていたなら難しい。

(質問)・大勢の中で起こるのと、2人きりの自主練などで起こった場合、どうなるのか?

(お答え)殴ったつもりで、殴ったか、証明するものがあるか。っていうのは大事になってくる。充分な証拠があるか?というのと、実際、「傷害罪」として、成立するかどうか?というのは、別の話だが。

(質問)・演出家が不在のシーンや、「アクションシーンで!」とだけ言われるだけのこともある。「喧嘩してるように見えたらいいよ」と、言われたその場合はどうか?

(お答え)演出家の責任は大きいですよね。もっとボコボコで!もっと、やれみたいな傷害罪強要になることはある。やっぱり人を傷つけるのは、やっぱり許されないじゃないのか?

赤く腫れるくらいなら、許されることもあるが、それ以上はやはり許されないんじゃないか?

罰金は国に払われる。慰謝料とか民事。一発何十万とかそういう事例はある。
場合によっては、損害賠償は、求められる事案だと思います。

<ケース2>
俳優C/収入のない学生だったころ、チケットノルマのある舞台に立ちました。
契約を交わした後に出番のほぼないエキストラになることが決定しました。エキストラだと中々お客さんに見に来てもらえず、結果10万近くの金銭をノルマとして要求されました。学生に対して出番がなく集客の見込めないエキストラを配役して10万を請求するのは違法にはならないのですか?

【相談員の見解】
・酒井相談員
ノー。全然違法じゃない。嫌ならやめればいいんじゃない? 経済的損失に耐えられないなら、やめればいいし、それも含めて出演交渉だから、違法には当たらない。請求するのは可能だが、違法には当たらない。

・村上相談員
イエス。違法だ。そもそも。例えば、60人とか何十人とか呼ぶのは不可能。その不可能を提案してくる劇団側に問題あり。

【お客さんの見解】
YES =1
NO=4

・(YES側の意見)
20歳くらいなら。グレーですね。学生であるっていうことは大きい。社会人ってないってことで、請求するのは・・。社会人ならノー。学生なら、イエス。学生に判断能力がないのではないか・・。
・(NO側の意見)
人情的には、イエスにしてあげたいけど・・。違法性はないと思います。

【中村先生の見解】
明らかにイエス。

初めからエキストラとわかってて、10万円を請求しないですよね。出演させて、あとあと10万円請求するのは詐欺だと思う。刑法的に立証するのは難しいけど、民事的には、無効にできるかも。『消費者契約法』という法律もできている。無効にできてると思います。順番は逆ですよね。
きちっと説明して、「もしかしたらエキストラになるかもしれません」としてたらわからないが、「もしかしたらいい役になるかも・・」とかなると、詐欺に当たる。芸能プロダクションで、よくある。

(質問)・ノルマ分、全部売ってしまうと客席に入らない場合どうなるのか?
(お答え)その売り上げをどう使うかによる。共同出資みたいなもんでしょ? 誰かだけが吸い上げていくのはおかしい。

「消費者契約法」対等じゃない関係での契約の解除はありうる。

(質問)ノルマに違法性はないのか?
(お答え)ノルマ自体には違法性はない。
提供している情報を出していれば、お互い納得していれば、全然違法性はない。

(質問)・配役の大小の契約でも変わってくるのか?
(お答え)「あとあといろんな演技を見て決めます。」など先に言っておく必要がある。
納得しているか、どうかが大切。

 

<ケース3>
プロデューサー/二人芝居の公演を企画した。俳優Dに出演交渉をし、結果「出演する」と口頭で約束した。ところが稽古期間中に俳優Dが一身上の理由で出演できなくなった。公演の延期となったが、劇場のキャンセル料など経済的な損失が出た。Dにそれを請求できるか?
(契約書の必要性についてもお聞きしたく存じます。)

【相談員の見解】
・酒井相談員
イエス。僕はします。人情的には、理由を加味してあげたい。理由はその人でしかない。

・村上相談員
ノー。過去に「何があってもみんなで心中しましょう」と言われたことがあって、演劇では、1人が死んでもみんなで、全員で責任を負うものではないか?という考えがある。

【お客さんの見解】
YES=3
NO=2

・(NO側の意見) そもそも口約束という時点で、請求できない。飛ばれても、プロデューサーの管理能力のなさだと思う。
・ (NO側の意見) 契約書は大げさですが、文面に残る形でのやり取りは必要です。契約がない場合難しいのではないか?
・ (YES側の意見) 口約束でも契約は成立する。ノーの可能性もあるんですが。やむを得ない事情で出られなくなった俳優さんに請求できない・・。音信不通になった俳優さんに請求できない・・。取り立てる労力より、次に向かいたい。
・契約書を書いて出演するということは、ない。請求書を書くことあるけど・・。ワークショップの講師であったりすると契約書を書くことはある。文面に残っていればいいが、お互い記憶が違うということもあるから残しておく必要があるんではないか?
「この人に言われたらしゃあない」というときは、金額が決まってなくっても、出演することもある。

【中村先生の見解】
イエスノー難しい(ケースによる)。

「一身上の事情」が何かによる。口約束で成立はする。この業界での常識が大事。
例えば、稽古中に大河ドラマが決まって、やめるとなったら、請求できると思う。
例えば、病気で入院になったら、請求は難しい。
通常の常識はどこにあるのか、で、決まってくることがある。
理想は、契約で決めておくが、決まってないのなら、この業界の常識で合理的なのはどれかというのが大事。

(質問)業界での常識はあやふやではないか。読み取れない。
(お答え)裁判所では、一般的にはこう考えるべきだ、というのをよく使う。
契約的な合理的な解釈。

交通事故にあって、出演できなくなった場合、常識的には請求できないのが普通。
本当は契約書に書いて欲しいですよ。ハリウッドはきっちり決めてる。ケータリングまで書いてる。ロケハンの弁当までもめる。

(質問)・俳優さんに契約書を作る場合。
(お答え)いつまでいつどうするのか? その人をどれだけ拘束するか。対価。支払期限を明記しておけば良い。

(意見)・参加者契約書のテンプレートをネットで拾った覚えがある。肖像権も関わってくることもある。

(お願い)・契約書のサンプルを作って先生に添削してもらえないか?

<ケース4>
劇団主宰の/座付き作家が作品を書けないということで、他の劇作家の作品を演じることになった。書き下ろしではなくて既存の作品で、著作権の許可を得た戯曲の上演に向けて準備を始めた。稽古半ば、突然著作権利所有者より「許可の取り消す」と連絡がきた。それまでの準備に生じた経費の賠償は求められるのか。

【相談員の見解】

・酒井相談員
イエス。求められるであって欲しい。コメントもないくらい。困ります。

・村上相談員
ノー。事情があるんだろう、と思います。かわいそうですが、賠償を請求できないと思います。

【お客さんの見解】
YES=2
NO=2
中間=1

・(NO側の意見) さっきの事例であったが法律には、血の通ったところがあるんじゃないか。
・(NO側の意見) 権利は作家にあるわけやから・・。難しいんじゃないのか。
・著作権の厳しいところもあるし、気に障ってとか、あるのでは・・。

【中村先生の見解】
基本はイエス。

法律的には難しい。許可をしたら、法律効果は発揮している。
取消事由がないとだめ。契約の時に、取り消すことが明記されていないと難しい。
許可をもらっていると上演はできる。
世界観が違うダメ。作家自身に納得できるかどうかは、関係ない。
一回許可したら、上演できる。
もらったんだったらやれる。
一回許可をもらったら著作権者より強い立場でいれる。
嫌だったら、賠償すればいい。


<ケース5>
演出家/全く自身に覚えの無い公演の開催について何の断りもなく自身の名前が掲載された企画書を不特定多数の人間に配布された。企画書文中に(交渉中)という注意書きはあったが、交渉をした事実もない。これまでに企画書を配布した全ての先に対して誤記載であったことを周知してもらえるか?

【相談員の見解】
・酒井相談員
イエス。当然周知してもらえる。

・村上相談員
ノー。企画を示したものが企画書なので、私はこういう企画を考えています。関係性があれば、違法性はないと思う。

【お客さんの見解】
YES=3
NO=1

・(NO側の意見)めちゃくちゃな名前を書いたらおかしいですけど、業界内ならオッケーじゃないか。嫌なら断ればいいし。
・(YES側の意見)制作この人なら、大丈夫とか思ってしまうが、違う人だと泥舟に乗ってしまう気がする。
・(YES側の意見)共演したい先輩が書いてあると、出たくなる。
・(YES側の意見)関係性が壊れているが書かれることがある。企画書が出ると噂が広がるのは嫌だ。

【中村先生の見解】
結論的には、ノー。

法律論の世界の話をすると、不法行為に当たるかどうか。
違法性があるかどうか。
交渉してない時に、(交渉中)と書いてはいけない。
関係性があれば、推定的承諾はある。
その人の名前があることで、誘惑した場合、違法性がある。
(交渉中)と書かれると「交渉断ったやつ」となる場合がある。
配ったところに撤回しろとは思う気持ちはあるが。
法的には、名誉を回復する措置や、金銭でやり取りする。
文書で出せというのを裁判でやるのは難しい。慰謝料を払えとかという裁判になる。
示談の中で文書を出せというのはある。

(質問)・SNSとかブログで勝手に名前を使用したことに対して、書くことはダメか?
(お答え)ダメではない。しかし、それで名誉を傷つけられるなどがある場合は、差し止め請求ができる。

・・・・・・・・・・・・・・・

いかがでしょうか…。ここまで70分ほどかけ5つのケースについて先生にお話を伺うだけでなく、参加者や私たち理事たちも考えたり、我々の活動の実情に照らし合わせて想像したりしました。正直とっても疲れました(苦笑)冒頭に上げた先生の「労働者を守る法律はたくさんあるんだけどね…」という発言はここででたものです。私たち素人が法律のことを考えて頭がこんがらがるのは当たり前ですが、中村先生にとってすら「法的に簡単じゃない、ややこしいことになりやすい」。舞台芸術の世界は、いったんトラブルになるとそうなりやすい現場であることは心した方がいいと、改めて感じました。トラブルにならない、しないことが一番ですが、もしなった時にお互いの傷を最小限に収めるためにも文章(それは契約書が一番望ましいのでしょうが)に残すことも心がけたいところです。
私のことで申しますと、「実際俳優で出演させてもらう」となったときに契約書を交わすことは極めて稀です。というかありませんぶっちゃけ。ただ、たとえば「ギャラはいくらいくらでね。稽古はだいたい週何回で、本番の週は水曜日から全日拘束でね」というようなことを口頭で先方とした場合、なるべくその日のうちにメールを送るようにしています。内容はだいたい下のようなもの。

〜〜〜〜〜〜〜〜
「本日はありがとうございました。私の備忘の為に本日お話しいただいた内容をまとめましてメール差し上げます。間違いないか念の為お確かめくださいませ。よろしくお願いいたします。」「出演料〇〇円」「稽古は…」「(以下、喋った条件)」…
〜〜〜〜〜〜〜〜

この程度のメールでも関係が浅い相手に対して出すのはなかなかに勇気がいりますが、それは逆に「誠意」ではないか?「ちゃんと仕事します」という表明じゃないか、と私個人的には考えています。中村先生も「最近の裁判はメール、SNSの投稿というものが重要な証拠として取り上げられるようになってきている」とおっしゃっていました。
まぁかように「ややこしい問題」に、そして時にトンチンカンなわれわれの質問、意見にも、気さくに、時にユーモアを交えてお答えいただきました中村先生に心からの感謝を申し上げます。ありがとうございました。冒頭でも触れましたが「契約書のテンプレート」を作れたらいいなあと田中遊個人としては考えておりまして、またその節はご相談に上がりたいと思っております。

この記事をお読みのみなさまで法律のことでご相談がある方は中村先生にご相談されるのも一つの手段かもしれません。
「市民共同法律事務所 中村和雄 弁護士」(075)-256-3320
お電話で相談日時など取り決めて、という流れになるそうです。(ケースによってはですが「法テラス」の枠組みを活用すること無料で法律相談に応じてもらえることもあるとのことです。ただ無料になるケースはあくまで「ある条件を満たせば」ということです。ご自身でお調べください。)

さて、以下はおまけと申しますか、本日会場で取り上げなかった質問ですが、中村先生のご好意でご見解をいただきました。ご参考に、…しなきゃいけない状況になるべくならないようにしてゆきたいものですね。
文末重ねまして中村先生とご参加いただきました皆様に理事を代表して御礼申し上げます。

田中遊

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<ケース6>制作staff/上演中、客席で一人の観客が他の観客に聞こえる声で不規則な発言を始めた。退席をお願いしても応じず、やっとの事で数分後その方はまた沈黙したがその間に途中退席されたお客様が数名いらっしゃり返金した。返金代金を不規則発言の主に請求できるか?

【中村先生の見解】
できると思う。ここまでやったら。

<ケース7>舞台監督/”小屋入り後の管理を”と仕事を受けたが、劇団員美術スタッフの経験が浅く蓋を開ければタタキからプラン修正までこちらでやることになった。公演後ギャランティーの上乗せを交渉したが応じてもらえず。事前に契約書などを交わしてはいないが、不法性はないか?

【中村先生の見解】
ない。契約内容に反しているわけではない。本来やる必要はない仕事を自ら被っている。どこまでの契約の内容かによるが。予想してたより多くても・・。となってしまう。

<ケース8>劇団員/団員が月々収めている「団費」を主宰者が生活費に使っている。団費は劇団の維持、運営に使われると言う共通認識はあるが明文化はしていない。主宰者は「台本を作るPCもプリンターも紙も私が出している」「それと相殺だ」と。主宰者が生活費に充てた分を団の会計に返還してもらえるか?

【中村先生の見解】
相殺自体は法的に間違ってはいない。金額をきちんとクリアにした上で団員費用から払われるべきものは団費から払い、それ以外のものに関しては主宰者が払う。

<ケース9>女優/所属劇団の演出から芝居でトップレスになること要求されました。「芝居のために必要だから」と。納得がいかなかったので断ると役を降ろされました。「今後劇団にいても二度とキャスティングしない」と言われ劇団を辞めざるをえませんでした。慰謝料は要求できる?

【中村先生の見解】
慰謝料は請求できる。契約による。キャスティングしない。という理由がどこまで立証できるか。おそらく演出は「トップレスにならないから下ろした」とは言わないだろう。

<ケース10>制作staff/全体で2時間ある演劇公演中、残り15分のタイミングで事故が起こり、そこまでで上演を打ち切ることになりました。チケット料金は全額返金しないとダメですか?

【中村先生の見解】
全額返還。全部見て、意味があるから。
(八割見たら返金しなくていいと聞いたことがあるが・・)それは僕はない。
・天災だったら仕方ない。
・演劇は物語だから、ラスト結末まで見ないと「作品を見た」ことにならない。返金が必要。(ダンスは?)
・新幹線で、京都まで来るのに、名古屋で降ろされたら嫌でしょ。飛行機はそれでオッケー。

 - 2018年度事業

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